株式会社日本管理サービスができて、ようやく9ヶ月。 おかげさまで当初に立てた事業計画の3倍以上の管理物件をお預かりすることができていますが、その理由の一つが理念経営(経営理念を軸に経営を行うこと)だと私は思っています。
朝礼でお念仏のように経営理念を唱えさせる会社も少なくなりました。 まぁ、軍隊式に右へならえで均質な正社員を並べて号令一下、ヨーイドンでノルマに向かう…というのは国家/社会が右肩上がりの時の戦法としては効果が高いと思いますし、その流れで理念の唱和や社歌斉唱などを行うと一体感が出ていいと思います。大きい声が出せれば内容はなんでもいいですし。
しかし、時代は令和。コンプラ大事、多様化大事。仕事で昇進するより定時上がりで推しのライブに行きたい。 会社の夢はみんなの夢…なんてことを自然に考えたりはしないのです。
しかし、そんな時代だからこそ、経営理念の重要性は増していると言える、と私は思います。
昔は、情報源といえばリアルに出会うものとテレビ・ラジオ・雑誌・新聞あたりが大半でした。ルーズソックスが流行っていると聞けば一斉に履き、アタマに花を乗せるのが流行るといえばみんなで同じ髪飾りを買う。いかに自分がトレンドをキャッチするのが早いかが重要ポイントでした。
いまは、SNSで企業も個人も気軽に発信できる時代。
たくさんのお金が欲しいという価値観の人も、お金より自然の中で巨大な鳥と一緒に暮らしたいという人も、ミニマリストで洗濯機以外は所有していないという人も、ひたすらAIで楽曲を作り続けたいという人も、仲間たちと一緒にでっかい遊びイベントをやろうという人も、地方自治から世界を変えるために政治をやっていますという人も、みんなみんな同じプラットフォームで同じように発信ができ、それぞれに「いいね」が集まる。
だからこそ、同じ業種業態の会社があるならば、値段だけじゃなく理念や志に共感できる方を選びたいという時代になっていると思います。私も、自分が理念に共感した会社の靴しか買わず、ルームウェアも高いけれど体調の回復に役立つと言われているブランドの製品だけを持っています。いわゆる共感マーケティング。セグメント広告でがっつり引き出される私の共感。マーケの手法が変わっても、私はいつも踊らされています。別に抵抗しませんが。現代社会で生きるってきっとこういうこと。
株式会社日本管理サービスは、大々的に「創業しました!」と宣言する直前に1ヶ月ほどかけて経営理念(ミッション・ビジョン)と行動指針、どんな組織にしたいかをしゃちょーと私で定め、それをグラフィックレコーダーの春仲萌絵さん(TOYOTAのトヨタイムズの元日広告なども手掛けています)にイラストにしていただいて、8ページのクレドを作成しました。
理念のページはこちらに掲載しています。
で、このクレドを作成し、私たちの会社に関わる人、関わりたいと思ってくれる人にどんどん配布していきました。共感した!と言って仲間になってくれる人が現れ、管理物件の受託ができ、ご紹介も増えてきました。
思いがけないスピードでしたが、明確な理念を決めて、それを明文化し、メンバーにもお取引先にも手渡せる形にしたことで「成しえたいこと」の伝達スピードが上がっているのは間違いありません。口伝でやっていたら今頃まだ何も仕事は始まっていなかったと思います。
また、この理念をみんなと唱和する朝礼をやろうということも最初から決めていたので、口にしやすい理念を心がけ、クレドにも朝礼で読み上げる内容を書き出したページを設けました。ただの意欲向上や連帯感の演出ではなく、理念を軸に組織運営をすることを毎朝オンラインの朝礼で確認しています。結果的に、行動指針を一定程度以上に理解して自走できるスタッフが増えて、ちょっとした仕事にも意欲的に取り組んでもらえるのでサービスのスピードが早いです。びっくりします。